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気になる

髪を伸ばしている。

前回髪を切ったのは約半年前。冬は中々伸びてくれない、そんな気がする。

 

最近は男とばかり遊んでいる。最近じゃなかったら女の子と遊んでいたか、といえばまあまあな嘘になる。そのくらい異性の友人に会ってない。向こうに認識されて呼びかけてもらうとか、会う約束をするとか、異性の目の前もしくは隣で会話や素振りや表情で自分を知ってもらったり感じてもらったりしたのは、本当に最近は片手で足りるくらいの回数になっていた。

 

顔の良い友人が1人の女の子にフラれた。自信もあったけどフラれた。彼は「顔じゃない、性格だ」と何回も言う。僕は頷いたけど正直なところその言葉の意味がわからない。今もわからない。いや100%わからなくはないけど僕にはそう言い切れるほどの感覚はない。その夜電話してきた彼は花粉症だったはずでもないのに終始鼻水をすすっていた。

 

それから僕は今まで好きになった女の子のツイッターを調べた。容易く見つかるし普通にこっちも向こうもフォローしているなんてこともある。好意を抱いているんだ、という気持ちを指先に込めるなんて事はとうの昔に済んでいるはずなのに、今は、好意を抱いていた君がなにをしているのか、という気持ちを指先に込めてみるけど、まあそこまでは緊張もしなかった。

だって君はデート中にホワイトデーのプレゼントを貰った旨をインスタグラムの新機能をふんだんに活用して100人程度の”友人”に伝えていたし。それはこの”機会”より前に知っていたけど、まさかツイッターのアイコンを彼氏とのツーショットにする人だとは思わなかった。

でも君はそんな事はしない。ただ、楽しそうに魚釣りの感想を言ったりさばいた魚の写真をアップするのは彼氏の影響以外の何ものでもないことは知ってる。

君の場合は記念日をプロフィール欄に書いてるくらいだけど、相手はそのレベルより上で余程のあれなんだろうなとは思った、でも、君が前付き合ってた人に顔が似すぎだ。

だいぶ前に好きだった君のツイッターには鍵がかかっているし、インスタグラムも非公開だし、ラインも知らない。高校は何処に行ったかは知ってるけどそれからは進学したのかも知らない。

 

僕は深夜2時にPIZZICATO ONEを聴きながら過去の君を思い出していた。悲しいだけじゃないけど嬉しいことも特になかった。顔が好きだったから廊下や部活や食堂で会えるだけで良かった。

今の君に会うにはまた緊張をしなければならない。好意を抱いていた君がなにをしているのか、を直接聞きたいだけでなくて、「顔じゃない、性格だ」と何回も言う彼の言葉の意味を知りたいからだ。でも、髪を伸ばしている僕を見てどう思うかな。

 

髪が伸びて満足するのは僕だけかもしれない。