2017年によく聴いた音楽

音楽有識者の年間ベストを読むとまだまだ知らない音楽があって、でもそれがその年に発表されたものだと(年間ベストだから当然だけど)、自分のアンテナの弱さを痛感する。ただ、それが私にとって聴かなくてはならない楽曲ではないことも多いので、今年のこの記事も、「2017年によく聴いた(旧譜を含めた)音楽たち」という形で進めていく。基準は特にないが、天候や気温、時間帯や精神状態、場所...といったシチュエーションに合わせた聴き方が多いのでそれにも触れていきたい。

「1組1作品のみ、昨年選んだ作品は選考対象外」がルールとする。

 

 

10. Miles Davis『Kind of Blue』(1959)

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私はなにかに出会ったそのキッカケというものをすぐに忘れてしまう。ジャズもまた然りである。フュージョンSMAPのおかげだからその流れでジャズも聴いてみたのかもしれない。だが、このアルバムがジャズを聴くときの基準になるとすると今後聴く作品がくすんでしまう可能性もある。

9. Wes Montgomery『Fullhouse』(1961)

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なぜ私はジャズを知ろうとした最初のアルバムをウェス・モンゴメリーの名盤にしたのか、思い出せない。でも入り口はこの作品で合っているし出口を探すつもりもない。バンド形式ではなくソロでの作品がたくさんあったり、好きな奏者が参加してる作品を探すのも面白い。私は深い深い世界へ、足を踏み入れた。

8. Donny Hathaway『Extension of a Man』(1973)

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Soul Screamの「15丁目」の元ネタが「Someday We'll All Be Free」と書いてあって、アルバムを全部聴いてみたらこれまた好きな感じだったため8位に。Soul ScreamだけじゃなくてBuddha BrandとかRHYMESTERもそうだが、元ネタを調べてアルバムとして好きになるのって、中々良いディグ作業だと思う。こんなこと言ってたらブッダも聴きたくなってきたな。どっちを先にやるか。

7. Yogee New Waves『WAVE』(2017)

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「シティポップ」とは何なのだろうか。そもそもそう括ると困るバンドもいるだろうし敢えてその流れに寄せてる者もいるかもしれない。”シティなんかよりタウンだろ”とか言われたりしたらもう訳が分からなくなる。でも、好きな音楽であることには変わりない。私はYogee New Wavesが好きだ。次はワンマンで観たい。「HOW DO YOU FEEL?」、本当に良い曲だよなぁ。

6. THE 1975『I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it』(2016)

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日本にもこういう大衆性のあるカリスマバンドが現れてほしいなと、聴きながら何度も思った。星野源のような日本を変える楽曲を出せとは言わないが、個人的には黄色い歓声が飛び交うバンドの出現を望んでいる。『DH00278』も素晴らしかった。

5. cero『Obscure Ride』(2015)

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これまでは、朝だけでなくて帰りも勢いのある曲を聴くことが多かった。早く目的地に着きたいし早く家でゆっくりしたい。ダラダラ歩く人が大嫌いだし乗り換えは全力で走りたい。でも帰りは別にそんなことなくていいんじゃないか。帰ってる途中でもリラックスだって出来る。スマホを触りすぎるのも良くない。1年以上通ってても初めて発見する看板だってある。明日は違う看板を見つけよう、せめて帰り道は。

4. Incognito『Positivity』(1993)

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このバンドに出会ったキッカケが、Tristanがどんなバンドか調べてたら引っかかった、というのをはっきり覚えている。去年はブラックミュージックにハマり出して今年はその中でもジャズやフュージョンに傾倒した。まだまだ詳しくないジャンルだが、フュージョンって良いなと感じれたこのアルバムは今年一番印象に残ってると言っても過言ではない。

3. SMAPSMAP 012 VIVA AMIGOS!』(1998)

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「Possession Possession」「Duo」だけで驚愕なのに、フュージョンアレンジされた「Peace!」に、90年代の5スマの傑作である「たいせつ」と「夜空ノムコウ」が収録されてるから、年間3位だけでなくてSMAP史でも中々の名盤である。年間通してだと1番聴いたのはSMAPだったから実質年間1位なのは間違いない。

2. Marter『This Journey』(2017)

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このアルバムは5月下旬に発売されたのだが、内容は春を想起させるものが少なくない。シチュエーションとしては秋冬だけでなく梅雨の時期に僅かに訪れる晴れ間に聴いたから、実際に春風に当たりながら聴いてみたい。その季節の頃には君と僕はどんな会話をするだろうか。もう冬至は過ぎた。

1. Willie Wright『Telling The Truth』(1977)

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私の好きなドラムの感じでもないし、ファンキーなギターも中心じゃないし、キラキラしてるポップスでもない。でも休みの日の午後に流してると落ち着くし、一日の終わりに聴いて身体を浄化させるのも良い。ベースも心地良いしフルートも聴こえてくる。軸となってるのはアコギ。声も良い。優しくて渋い。フォークの雰囲気もある。発売された当時と同じように、時代に逆らった音楽を聴く。生音だけど音数も多くないしちょっとだけチープ。気付いたらもう1年が終わりそうだけど、年が明けてもこのアルバムを聴いていたい。